広告デザインの店長 坪田直樹さんインタビュー

 

こんにちは。
Cafe LOSER店長の杉田です。

今日もごゆっくりどうぞ。

 

えーと、今回は、「Cafe LOSER 広告デザインの店長」である、坪田直樹さんのインタビューをお届けします。

このインタビューで、注目していただきたいところは、「ディレクター」という言葉です。

広告の分野で、「デザイナー」と言えば、「何かのデザインをする人だな」ってイメージが湧きやすいと思うのですけど、「ディレクター」って言われても、「何する人?」ってなりますよね。

以下、坪田さんが、そんな「ディレクター」という肩書を持つに至った経緯や、その仕事内容について語っていただきました。

 

 

(杉田)坪田さんのキャリアについてお聞きしたいんですけど、最初はどんな感じで広告デザインに興味を持ったんですか。

(坪田)そうですね、少し遡ってお話しますと、僕は美大にいって、デザイン事務所に入ってみたいな王道とはまったく異なる道を歩んできてまして、大学も農学部で泥まみれになりながらトマトの研究をしてましたし、卒業した後も今の仕事とは全く関係のない仕事で、カナダの現地留学斡旋会社で留学カウンセラーとして働いていました。

(杉田)カナダで仕事したのは、どんなきっかけだったんですか?

(坪田)僕はめちゃくちゃ田舎の出身なんですが、子供の頃から「いつかはこんな場所を出て、世界に出て、通訳しながら働く」っていう壮大な夢がありまして(笑)、それでカナダへ渡ったわけなんですけども、イベントをきっかけに当時の社長に出会いまして「君、ディレクターに向いているよ」と誘われて仕事をはじめました。そこでは、いわゆるビザやパスポートなど渡航の準備やホームステイファミリーの手配、語学学校に通う手続き、留学プランのコンサルティング、現地の案内や旅行など、会社の会計以外なんでもやってまして、会社立ち上げからのスタートだったので当時は1日24時間働いているような感覚でした。1年近くなんとかやっていたんですが、慣れない環境や過度の疲労ストレスもあって体調崩してしまったんですね。で、帰国しようということになりまして。

(杉田)大変でしたね。

(坪田)はい(笑)ただ当時、自分が勤めていた留学斡旋会社はカナダの会社は日本に支店もないのに、日本からのお客さんがどんどんインターネット経由でいらっしゃるんですよ、ほとんど地球の反対側みたいな場所なのに。それでインターネットってすごいなって感動して、興味を持ったんです。それで日本に帰ってからはウェブデザインの勉強をしようと思って職業訓練校に通いました。で、その後、ある大手広告代理店に受かりまして。

(杉田)そこで広告デザインとつながるんですね。その広告代理店では、どういうことされていたんですか。

(坪田)具体的に言うとバナー広告を作る仕事です。お客さんは、ゲーム会社だったり、化粧品会社だったり、金融機関だったりするんですけど、「じゃあどういうバナーを作りましょうか」っていうのを僕が具体的に落とし込んで作るみたいな仕事ですね。

(杉田)その時の立場は、ディレクターですか?デザイナーですか?

(坪田)ディレクターです。実は当時デザイナーとして面接を受けに行ったんですけど、職業訓練校を卒業したくらいのレベルだったので作品集はろくに見てもらえず(笑)、でもいろいろ質問をいただく中で、今までどういうことしてきたのかを話していたら、「君はどうもディレクターに向いてそうだね」って言われてしまい(笑)、前職でディレクターやって体調崩しているのもあって、葛藤もあったんですけど、とにかくやってみようかなって前に進むことにしました。

(杉田)そうだったんですね。では、その大手広告代理店で働いた後、独立されたんですか。

(坪田)そうです。独立した理由いろいろあるんですけど、広告代理店でやっていたことって、とにかくバナー画像を作る仕事でそれはそれで奥が深いし面白かったんですけど、ウェブの仕事ってそれだけじゃないよなって改めて思いまして。もっと多角的にいろんなことできて応援できるようにしていきたいとか、自分でやっぱりものづくりすることがしたいと思って卒業することにしました。

(杉田)今度こそディレクターではなくて、作る側(デザイナー、プログラマー)にいこうと(笑)。

(坪田)はい(笑) 仕事辞めた後はプログラミングのスクールに通って、その後すぐフリーで雇っていただける所があったので、その会社に業務委託という形で入りました。そこから独立が始まって「よーし、今度こそはものづくりの仕事を!」と意気込んでいたんですが、私はプログラムのほうにいこうと思ってたのに、仕事やってるうちにその現場でも「ちょっとディレクターのほうやってくれない?」っていう話になって(笑)

(杉田)またディレクターとしての資質を認められてしまった(笑)。

(坪田)はい、人生で3度目の「君はディレクター向いてる」いただいてしまって(笑)。みなさんが皆さんそうではないんですけどデザイナーさんとかプログラマーさんってちょっと静かな人が多いっていうか、お客さんと折衝するのが少し苦手というか、やりたくない方が多いので、その中で自分が全体を見渡して、コミュニケーションを取りながら段取りしたり、仕事を割り振りしてると目を付けられちゃうんでしょうね(笑)。

(杉田)坪田さんは、ご自分から見て、自分のディレクターとしての強みってどんなところだと思いますか。

(坪田)そうですね、「戦略をデザインに結びつけること」その点だけは他の人よりちょっと得意じゃないかなと思っています。

(杉田)戦略をデザインに結びつける?

(坪田)はい、僕はいわゆるビジネス戦略家さんほど立派に戦略は立てられないし、一流のデザイナーの人たちほど優れたデザイン制作物が作れるわけでもないんです。ただ事業の戦略をデザインや具体的なタスク(やること)に落とし込むところだけは強いみたいです。立派な事業戦略案や計画はあっても具体的にどう表現すればいいんだっけ?っていうところになると面倒くさくなったり、意外と苦戦されていらっしゃる方、多いみたいで。

(杉田)でも坪田さんは、それができる?

(坪田)はい、なにかテーマや方向性に対して具体的にどうしたらうまく表現できるかみたいなことを考えるのが好きでして。テーマや事業のプランに沿って具体的にやることやつくるものを決めて、お客様の言うことも制作サイドのこともうまくつないで、お互いにいいもの作っていきましょうっていう仕事をしています。いろんな方面がうまく繋がっていい仕事ができたときは人一倍喜びが大きいですし、今はディレクターという仕事が大好きです。

(杉田)これから、Cafe LOSERにも自営業をやりたいという人が出てきて、ホームページを作ることもあると思うんですけど、ホームページって、はっきり言ってピンキリじゃないですか。すごい安いところだと、5万で作ってくれるところもあったり、かと思えば何十万とかかかるところもあるんですけど、その辺の違いってどういうことなんですか。

(坪田)この業界、本当にピンキリなので、皆さんには分かりづらいところがあると思います。5万円で作る方もいらっしゃれば、僕らが企業から請け負っているようなホームページは、要求されることも多いので、50万とか100万以上になったりします。でもそこには違いがあって、例えば5万円で作りますってところは、お客さんからもらった素材をほとんど加工することなくただホームページに貼り付けます。で、作ってお渡しして、それでさよなら。そのあとは自分で調べてやってくださいっていう感じのところが多かったりします。

(杉田)業者からの提案とかはなしで、お客さんから出されたものをそのまま使って作るみたいな感じ?

(坪田)そうですね。それで事足りる方はそれでも良いと思うんですけど、ホームページなんて作ったり依頼したことない方も大勢いらっしゃいますから、お客さんはそもそも何を載せるべきかわからないんですよ。僕に相談いただく方の中にはまだどんなサービスするか、どんな商品するかしっかり決まってない人だっています。

(杉田)そうだと思います。

(坪田)なので、僕は、「まだ決まってなくても大丈夫です。一緒に考えていきましょう」というスタンスでやっています。例えば僕がやっている制作パッケージでは、パッケージの中に、「オリジナルのロゴ作り」も含まれているので、ロゴを作るためにもいろんな話を聞いたりとか、なぜこういうビジネスをしたいと思ったんですかって話を聞きながら一緒にビジネスのコンセプトを作っていきます。あと、やっぱりホームページをお渡ししても、みなさん、更新の仕方とかわかないと思うんですよね。そういうことも教えることも含めてやっていますので、あの料金(189,000円)にさせていただいています。

(杉田)私も、坪田さんほどの実績のある方に、あの料金でやっていただけるのは、ありがたいと思いましたよ。(このCafe LOSERのホームページは、坪田さんに制作していただいている)

(坪田)ありがとうございます。今のテンプレートは、おしゃれなデザインがたくさん出ているので、杉田さんみたいに、そういうので間に合う方は、それを使えばいいと思うんです。もし自分のブランドとして一からきちっとしたオリジナルのデザインを作りたいという方は、このパッケージの金額だとさすがに難しいので、一緒に仕事しているデザイナーにお願いして、内容に応じて追加の料金をいただいて対応しています。

(杉田)分かりました。坪田さんは、今後どのような仕事をしていきたいと思っていますか。

(坪田)今はどちらかというと、ITとかウェブに全然触ってこなかったような方たちを、すごく応援していきたいなと思ってるんです。「専門何ですか?」って聞かれたら、「初心者です」って言おうかなと思ってるぐらい(笑)。

(杉田)それはうれしい。

(坪田)前の会社でも勉強会とか開くとありがたいことに「教えるの上手いね」って周りから言っていただけることも多くて。教えながらやるとか、並走して一緒にやっていくっていうスタイルが僕は好きでなんですよね。しっかりプランニングをしていって、将来を一緒に見てから、「じゃあ私たちでここから作っていきましょう!」というスタイルというか。昔から実家の定食屋で働いて、大学でも家庭教師したり販売員したり、カウンセラーもやったりと人と接する仕事をずっとしてきたので、人と話しながら、相手の考えていることを察知してご提案したり、作って終わりではなくて作った後も一緒に経過をみたり改善をしていくっていう寄り添って進めていくスタイルが今までの人生や仕事を通して僕が一番力を発揮できるスタイルかなと考えています。

(杉田)そういうの、すごくありがたいです。それにしても、坪田さん、仕事が丁寧ですよね。この前作っていただいた私のホームページの資料、「ここまで考えてくれるの?」と思って、結構びっくりしたんですよ。

(坪田)ありがとうございます。資料も実はこだわっていることの一つで、ちゃんと資料化して見えるようにすると僕もお客さんも頭が整理できてアイデアが浮かんだり、僕がいない時にお客さんが見直して考えるヒントになったりするのでなるべくお作りするようにしています。ご提案の際はちゃんと資料を用意するというのは、広告代理店のときからしっかりやっていたので自分にとっては割と当たり前のことなのですが、喜んでいただくことも多いのでこれからも続けていきたいと思っています。あと制作サイドの話でいうと、情報がしっかり整理されてなくてイメージがないと、デザイナーにじゃあ、お願いしますって言っても、デザイナーさんは何を作ればいいの?ってなっちゃうので。

(杉田)さすがですね。ここまでウェブの話ばかりしちゃいましたけど、坪田さんは、その他のデザインの仕事もできますか。

(坪田)はい。独立してからは色んな仕事をさせていただいていて、ウェブ以外にもチラシや名刺などの印刷物の制作だったり、商品のパッケージデザイン、カメラマンとも一緒にやっていますので撮影や動画制作とかもやっています。

(杉田)広告デザインのことで何かあったら、何でも相談できちゃうってことですね。

(坪田)そうですね。何かビジネスやサービス始めるときってホームページだけとかじゃなくて、ロゴと名刺とチラシと撮影と…みたいになること多いと思うんですよ。そういうときって考えることも多いし、それぞれ別の人や会社に頼むと大変ですけど、僕に言っていただければ、トータルでプランニングすることができます。

(杉田)統一したコンセプトを作るとかも含めて、坪田さんにおまかせできちゃう?

(坪田)そうです。あとは何か新しく作るとなると必ず費用(予算)とセットだと思うので、ご予算とかお伝えいただければじゃあこっち優先して、ここはこういうふうにして、費用を抑えてこうしましょうかとか、そういうお話も気兼ねなくご相談いただければと思います。

(杉田)それは頼もしいです。今日はいろいろなお話を聞かせていただいて、ありがとうございました。

*最後に参考のために、坪田さんのブログにある内容を転記します。

クリエイティブ・ディレクターって何する人?
クリエイティブ・ディレクターって具体的に何をする人なのか。これは人それぞれやっていることがバラバラだから端的に言い表すのはちょっと難しいのですが、例えば僕の場合は、ウェブ広告の制作ディレクションしているときもあれば、動画つくったり、チラシつくったり、シャンプーのボトルデザインすることもあれば、ブランドコンセプトやロゴ制作しているときもあれば、Webサービスの要件定義してるとき、企業様のオペレーションの設計を手伝うときなどもあります。あと本当に面白くない雑用やってゾンビみたいな顔しているときももちろんあります笑

ある意味なんでもやるが正解なんですが、1つ縛りがあるとしたら事業者様からアウトプットする何らかの制作物(クリエイティブ)に関係する部分を主としてお仕事をしています。

でも制作物を作るだけならデザイナーさんやエンジニアさん、あとアートディレクターさんとは何が違うの?と聞きたくなると思うのですが、最近はどこでも業務内容が広がっていると思うのでクリエイティブ・ディレクターだけが特別やることは特にないと思います。

ただ確実にクリエイティブ・ディレクターが意識していることでいうとお客様のビジネス状況やお金(費用対効果など)の面と向き合うことです。

だから「良いものが作れます、その品質を管理・担保します」だけではダメで、お客様のビジネスの状況に応じて最適な施策、最適な制作物(クリエイティブ)を最適な優先順位で提供するのがクリエイティブ・ディレクターの役割といえるかもしれません。

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